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竹内 末広; 松田 誠; 峰原 英介; 杉本 昌義; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 西森 信行; 大内 伸夫; 草野 譲一; et al.
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 1, p.233 - 236, 1998/00
原研には高周波超電導技術と加速器に応用してきた、あるいは応用し始めたグループが3つある。1つは原研タンデムブースターで、46台の超電導空洞からなる重イオンリニアツクを1994年に完成させ、その後故障なく高い性能を維持し、重イオン核物理等の実験に奉仕している。次は原研自由電子レーザーで、世界に数少ない超電導電子リニアックを用いた自由電子レーザーを1995年に稼動開始し、レーザー発光の実験を遂行している。3つ目は陽子加速器の開発グループである。原研では中性子科学研究用1.5GeV陽子リニアツクの高エネルギー部を超電導リニアックによることを決めた。このグループでは(=ビーム速度/光速)=0.5の超電導空洞の開発に着手し、テストで高い性能を得た。以上3グループの活動状況と成果の概要を発表する。
竹内 末広; 松田 誠
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 1, p.237 - 247, 1998/00
原研タンデム・ブースターは46個の1/4波長型超電導加速空洞からなる重イオンリニアックで1994年に完成し今日まで大きなトラブルもなく順調に稼動しており、週末の利用も運転員を必要としないほど長時間にわたって安定である。問題は「Q-disease」と呼ばれるQ値低下の現象で空洞の表面処理中に水素が空洞のNb表面に吸着し、空洞をゆっくり室温から液体ヘリウム温度に冷却する途中130~90Kで水素化物が表面に析出するためにQ値低下の症状が出るものである。これについては130~90K間を分割冷却(空洞を3グループに分けて順次冷却する方法)によって冷却速度を約3倍増し、off-lineテスト値の30~57%に落ち込んでいたQ値を64~79%まで回復することに成功している。この結果加速用空洞の加速電界の平均は5.4MV/m(1997年7月現在)となっており、現在も高い性能を維持している。
菊澤 信宏; 永井 良治; 沢村 勝; 西森 信行; 峰原 英介; 鈴木 康夫*
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 3, p.769 - 773, 1997/00
原研自由電子レーザー用超伝導リニアックの冷却系に小型冷凍機システムを開発した。クライオスタットに組み込んだG-Mモイクル冷凍機により熱シールドを冷却し、4K冷凍機により蒸発したヘリウムガスを液体ヘリウム槽内部で再凝縮している。超伝導空洞の冷却は、液体窒素の予冷などを行わずにこれらの小型冷凍機を用いて行った。この結果、冷却に約1週間を要することがわかった。また、定常運転中は最大で約6Wの余剰冷却能力が得られており、加速器の運転に対して十分な能力を持っていることがわかった。現在ではほぼ1年間の連続運転を行っており、その間の液体ヘリウムの蒸発量をほぼゼロに抑えることができている。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; 竹内 末広; B.Fechner*; 長谷川 和男; 水本 元治; 井上 均*; 加古 永治*; 野口 修一*; et al.
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 1, p.22 - 26, 1997/00
原研では、中性子科学研究計画用大強度陽子加速器のための超伝導加速空胴の設計、開発をKEKと共同で進めている。その一環として、空胴試験のためのテストスタンドの整備を行うとともに、=0.5単セルモデル空胴の試作、表面処理を行い、テストスタンドにおいて試験を行った。テストスタンドは、試験用クライオスタット、空胴組立用クリーンルーム、高圧水洗浄装置、熱処理炉で構成される。モデル空胴の試作は、プレス成形、トリム、電子ビーム溶接の工程で行い、バレル研磨、電解研磨、熱処理の表面処理を行った。テストスタンドにおける試験の結果、最大表面電場強度30MV/mを達成し、設計仕様(16MV/m)を上回る良好な結果を得た。このことから、陽子加速器用超伝導空胴製作における電磁気的技術課題をクリアした。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; 竹内 末広; B.Fechner*; 長谷川 和男; 水本 元治; 井上 均*; 加古 永治*; 野口 修一*; et al.
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 1, p.12 - 21, 1997/00
原研では、中性子科学研究計画用の大強度陽子加速器の開発を行っており、高エネルギー部の超伝導加速器の検討及び技術開発をKEKと共同で進めている。その一環として、超伝導加速器システムの概念検討、加速空胴の設計検討、及びモデル空胴の試作・試験を行った。概念検討においては、全体を8セクションに分割し、加速器長、加速モジュールの個数、運転コスト、ビームダイナミックスの評価を行った。加速空胴の設計検討においては、加速モード及び高次モードにおける電磁場解析を行うとともに、空胴の静的・動的な機械的強度の検討を行った。さらに、単セルモデル空胴の試作・試験を行い、良好な結果を得た。このことから、陽子加速器用超伝導空胴の実現性が実証された。